LEGO GBCとは?
LEGO GBCは、レゴのボールを如何に運ぶかに命を懸けるものでこういったところでいくつか紹介されている。ありとあらゆるブロックを使っていろいろな仕掛けをつくるのが醍醐味ではあるのだが、ここではあえて使用するブロックの縛りをつけて、教育向けのLEGO SPIKE PRIMEというセットの部品のみ、つまり、このセットを持っている人であれば組めるものを作ってみた。
LEGO GBC LOOP with SPIKE PRIME V1 to V2
仕事柄あちこちでこういったものを人に見せる機会があることから、以前からこのセットのみでGBCを組んでやっていて、動画もアップしていて一定の人には見ていただいている。
V1の動画
ところが、いろんなところで実演していると、見てお分かりの通り、土台が無いので結構狂いが生じてトラブルに見舞われることが多かったので、作り直してV2としてみた。また、作り方のマニュアルが欲しいとか、プログラムを見せて欲しいなどの要望もチラホラあったので、これについても公開することにした。
今回のV2は基本的にはV1と同じなのだが、リフトの部分の角度を調整して、狂いが出ないようにしてある。レゴはポッチと呼ばれるブロックの大きさの単位でしか組めないこともあり、ナナメをきっちりつくるのにチョッとした計算が必要となってくる。簡単に言えば、三平方の定理で3辺が整数となる組み合わせでないと直角が出ないことになるので、おのずとパターンは限られてくる。3対4対5の三角形が直角になることはよく知られているが、これと同じ原理で13対19対23も多少の誤差はあるが直角になる。また、ブロックではなくプレートと呼ばれる板状のブロックもあり、これは厚みが1/3となっていて、これを使えば、12.65対18対22といったパターンも使える(12.65は12ポッチとプレート2枚で表現できるため)。 今回のものは角度を考えて、8対10対12の組み合わせでリフトを組んでいる。
LEGOボールについて
GBCで使用するボールは、GBC規格によるとLEGO純正のサッカーボールやバスケットボールが使われることになっているが、このボールの日本での入手性がかなり厳しく、大量に手に入れることが困難であるため、非常に残念ではあるがアマゾンとかを探して非純正のボールを使うことになる。今回もカラーのボール100個を4〜5000円くらいで手に入れたモノを使用している(残念ながら2024/8時点では円安の影響か8000円を超えている)。
100均やビーズショップで14mmの穴なしビーズがあれば代用可であるが、穴ありでも背に腹は代えられないので、少々引っかかろうが使えないことはない。大事なのは大きさで、よくあるビー玉は16mm前後のモノが多く、1ポッチ8mmであるので確実に引っかかる。GBCでは、基本的に2ポッチの隙間を転がすことが多いため、日本で最も入手性のよいビー玉が使えないのはイタい。ただ、ビー玉をはじめとするガラス玉は純正のボールよりもかなり重いので、挙動がかなり変わる。また、これまた日本では非常に入手性のよいパチンコ玉は小さく重いのでかなり不適で残念!
今回のGBC LOOPについて
今回製作したGBC LOOPは、GBC規格を意識して作られているが、プラスアルファ要素としてボールの色を見わけて転がるレーンを切り替える機能を盛り込んである。
本体は、ホッパ、ソータ、リフトの3つの部分から成り立っている。
ホッパ
ホッパはGBC規格に開口の高さや大きさを合わせてある。GBC規格では、1度に30個を送り込むバッチ処理ができることを想定しているが、このホッパでは厳しいと思われる。せいぜい20個くらいにしておくのが吉。ソータへ続くスロープには1個ずつ送り出す機構を用意し、ついでにボールの色をチェックしている。
ソータ
チェックした色に基づいてレーンをスライドさせている。SPIKEセットには白のブロックがないので、黄色のブロックで白色ボールのレーンとしている。レーンチェンジのプログラムでは、相対角度による制御を行っている。12歯ギアでラックギアを動かしているが、端から端まで動かすには1回転以上の回転が必要となるので、絶対位置による制御はできない。詳しくは後述のプログラムを参考のこと。
また、初期位置が重要で、モータ絶対角度0度のときに白(黄)レーンとなるようにレーンをセットする必要がある。プログラム開始時に絶対位置を0度に戻す処理が入っているが、赤レーンが選択された状態では絶対0度でリセットできないので、プログラム開始時に赤レーンになっているとトラブルとなる。青や緑ではリセット可能なので、とにかく赤でプログラムを止めないことが大事だろう。
リフト
リフトはGBCの醍醐味ではあるが、SPIKEプライムの1セットで製作する必要から単純な押し上げスロープになっている。当初、ギアによる回転をさせていたのだが、トラブったときに無理矢理に回転し続けるため、ブロックへのダメージが大きかったのでプーリによる方式に変更した。これなら、トラブっても空回りするだけなのでブロックへのダメージはほぼゼロである。その分非力なので、チョッとでも引っかかると押し上げられない事態となることもある。
リフトからホッパへ続くブリッジ部分は余ったパーツを使用してつくってあるので、多少強引な感じになっているのは否めない。作り方マニュアルには掲載されていないホースの使い方は写真を参考のこと。作り方マニュアルを作成したCAD(LEGO Studio)では、このホースや、輪ゴムの表現ができないので、写真を参考にするのがよいだろう。
プログラムについて
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English Version |
海外の人からの問い合わせが結構あるというか、日本国内からの問い合わせはほぼ無いので、英語バージョンを載せておく。実は、こういった説明文は自動翻訳で結構いろんな言語に翻訳して見ている人がいるみたいなんだけど、画像になっているものは翻訳できないらしく、とりあえず英語ならどうにかなるんじゃないかということで英語版を載せておく。
組立マニュアルについて
以下に、組立マニュアルのPDFを置いておくので参考のこと。無償で個人的に使ってもらう分には構わないが、時々、こういうのを勝手に売ったり、商売に使う人がいるので、そういうことだけはやめてもらいたい。
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Download 組み立てマニュアル |
紹介動画について
以下に紹介動画を貼っておく。組み立てマニュアルでは分からない部分などを確認いただけたらと思う。
V2(今回)の動画
さいごに
これを見て、自分も作ってみたいと思う人が増えて、世の中にいろいろな作品が出てくることを願っている。GBCをやるには、何よりもリフトを作ることから始めないと何にもできないので、まずは作ってみてボールを位置エネルギーから解放してあげることが大切!上に上げてしまえば、あとは落ちるだけなので、創意工夫をして楽しく転がしてね!
(Update 2025/1/6 : 日本語版プログラムの画像が見えにくかったのを修正)
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